実は人間だけが生きている
本当の意味で生きられるのは、人間だけである。
これはどういう意味かをこれから説明する。
あらゆる動物、植物がこの地球上で生きている。
これは間違いないことなのだが、その一つ一つの生物達が生を意識しているかと問われれば、していない。
概念を扱うのは人間だけ
生というのは一つの概念である。
概念とは、言葉であり、言葉はあらゆる生物の中で人間だけしか扱わない。
ここで言う言葉とは、文字を伴った言葉のことだ。
会話を交わす動物は他にもいるが、文字は伴わないために、意思疎通の域を超えない。
つまり”生”という概念は人間の脳が作り出したものであり、人間しか理解しないものとなる。
ということは、人間以外のあらゆる生物は、個々に自由に生きているように見えるが、実際はそうではなく、大宇宙、大生命の中に取り込まれ、一体となって活動しているということになる。
つまり、”生”という概念を理解し得る人間しか、本当の意味で生きることはできない。
逆に”死”も人間以外の動物は意識することはできない。
年老いた犬は、死期が近づいていることを恐れたり、絶望したりしない。
死ぬ直前まで、ただ、今の生命を灯すことに集中するのである。
人間は、死の恐怖にとらわれてしまう。
自分の命がなくなることを想像してしまう。
それで生命の残っている今現在を、暗く生きてしまうのである。
本当の意味で生きるとは何か
このように、概念を持っている人間だけが、大生命の中から抜け出し、自らの生を充実させようとすることができる。
そうできるのに、人間はその与えられた特権を放棄してしまう。
人間は忘れやすい生き物だから。
より良く生きようと決意しても、明日になったらその情熱はすっかり忘れて日常に忙殺されてたり、くだらない活動に時間を浪費してたりする。
それではいけない。
意識する、という人間のみに与えられている特権を使い、”生”を意識すべきだ。
そして、本当の意味で生きるべきである。
生きるとは何か。
少なくとも、ただ日常に流されて生きること、ただ心臓が動いている状態とは違う。
より良い人生、より良い一日になるように意識的に生活して、他の生命達とは違う生き方をしていこうではないか。
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