身体の重心とはどこか。
それは、丹田と呼ばれる場所である。
丹田は臍下三寸あたりにあるとも言われ、ヘソ、性器、肛門の三点を結んだ三角形の中心に位置するとも言われる。
丹田が人間の複雑な体の中心であり、重心である。
丹田中心の動作を心がければ、無駄な力は一切入らない。しかも安定し、しなやかだ。
動物は体の重心を中心とした動作をする
動物は皆、自分の体の重心を保った体の使い方をして動いている。
動物は、人間のような自我意識を持たないから、本能のまま、神が操るままに動く。
すると、自然に溶け込んだ、ものすごく自然な身のこなしをするのだ。
猫の動きを見てみるとわかるはずだ。
重心に体を預けると、力はその一点に集中するから、他は脱力している。
無駄な力が入っていないため、見た目にも美しくなる。
頭脳のある人間は体の重心を意識しないで生活する
翻って人間はどうだろうか。
ひどい体の扱い方をしている者ばかりではないか。
猫背であり、腰骨を曲げて椅子に座るから、だらしがない。
立ち姿も、力強くなく、不安定であり、丹田に重心を揃えていないから、自分の体を支えるために無駄な筋肉が緊張し、発達している。
足が太かったり、腰痛、背部痛が絶えない、もしくは肩こりが絶えないなんてのは、殆どの人間でそうだ。
体のバランスが悪い動物なんているだろうか?どの動物も、犬は犬らしく、猫は猫らしいではないか。体のバランスが悪くなるのは人間だけだ。
当然、筋緊張が続けば、その部分は疲労するし、血流が悪くなり、体全体の血行も悪化する。
代謝が悪くなり、疲れやすくなる。脳には酸素が行かなくなり、思考力も低下する。
また、身体の影響は心にまで及び、姿勢がだらしがない者は内面もまた推して知るべしなのだ。
目で見えるものや理屈でわかることしか扱わなくなった現代では、今まで述べたようなことは、現実には無いようなものとして、話題に登ることすら無い。
皆、実は重心である丹田の影響を感じ取っている
しかし、こういったことは、ただ言語化できないだけで、皆なんとなく感じているのだ。
オーラというのは、姿勢がいいことにより、重心が丹田となり、体に無駄な緊張がなく、その結果血流が全身に行き届いていて、神経も隅々まで鋭敏になっている状態のことを、総合的に感じ取っているものと理解している。
姿勢が悪く、顔に生気が宿ってない人に、人は近づいていかないし、また頼りがいも持てないのが自然だ。
現代人というのは、原因は見なくなっているのだが、相変わらず結果には大いに振り回されるのである。
私が人生が変わり始めたのは、ただひとつ。
猫背をやめたことだと言って間違いない。
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