私達は感情をエンターテイメントとして楽しんでいる
感情は一旦自分から引き離して、楽しんでしまえばいい。
私達は、実は普段から自分の感情の動きを楽しんでいる。
小説であったり映画であったりというのは、楽しい、悲しい、怖い、切ない、などといった感情を引き起こされるもので、それらは皆、実際の話しではなかったり、自分とは関係のない作り物であるとわかっていて、あらゆる感情を楽しんでいる。
だから、わざわざホラー映画を見て恐怖心やスリルを味わったりする。
辛い、怖い、悲しいという感情すらも、私達人間は楽しむことができて、あえてそういった感情が味わえるコンテンツを求めたりもする。
しかし、実生活で感じる感情は、真に受けて本当に動揺したり、傷ついたりしてしまうのだ。
本当は、本や映画で感じた感情であろうが、実生活で感じた感情であろうが、どちらも楽しんでしまえば良いんだ。
HSPの人こそ必要な技術
特に、感受性が強く、あらゆる刺激に敏感で傷つきやすいHSP(Highly Sensitive Person)の人々は、自分の感情で苦しんでいるわけなので、これを実践できるようになったら人生が変わるのは間違いない。
私自身、自分のことをHSPではないかと考えている。
大きな音に弱く、白色光の強い光もダメ。
小説であったり映画であったりしても、私の場合は内容にショックを受けてしまい、作品を見続けることができないといったこともあるくらいだ。
フィクションなのに、感情の変化を楽しむことができないのだ。
美しい女性が現れたらその魅力に完全に虜になり、他人から怒気を示されたら恐怖し固まるといった具合で、さながらその時々に起こる感情の奴隷なのだ。
しかし、感情は本当の自分ではない。
感情は、自分とは別の場所で発生している。
それを、物心ついた時からの条件付けで、”自分が”思っていると錯覚し、自分といちいち関連付けてしまう頑固な癖がついているんだ。
本当の自分を見つけて、感情を楽しめるようになろう
本当の自分とは、意識の中で主体的な活動をしている部分のことだ。
それは静かで明瞭な意識であり、認識を司るものだ。
本当の自分の所在は、瞑想を繰り返すことで、やがて気付くことができる。
過去の賢者は様々な形で、本当の自分について説明をしてきた。
まずは、瞑想によって完全に感情は私自身ではないと自覚できるようになろう。
それだけでも、かなりの気づきと変化があなたに訪れることになると思う。
本当の自分に気付くことを”悟り”と言うんだと思うから。
そして、実践だ。
様々な望ましくない感情が沸き起こった時、私はこう言うようにしている。
「これは私ではない」
そうやって感情にラベル付けのようなことをして、冷静な意識から、その感情を見つめるのだ。
ここでやっちゃいけないのは、感情を押さえつけることだ。
例えば嫉妬心が湧いてきた時に、あなたは「こんな感情は抱くべきではない」と言って無理やり感情を消そうとしてはダメだということだ。
発生した思いは、あくまであるがままにしておく。
そして、その感情をただ味わう。
自分が嫉妬を抱いているのではない。
そこに嫉妬心があるのだ。
このような境地において、あなたは自分に起きた感情を楽しむことができる。
難しいと思っただろうか?
「4つの約束」を書いたドン・ミゲル・ルイスはこう言った。
「自分にもできたのだから、あなたにもできる。」
私は他人に対してとてもそうは言えないが。
どちらかというと難しいし、腑に落ちるまでは時間もかかると思う。
何しろ、一生を通じて本当の自分を発見できる人がどれだけいるだろうか、と思うから。
でも、HSPの特徴を受けて生まれてきたのなら、ぜひとも克服しなければいけない課題なのだ。
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