疲れた状態の時に起こっている脳の変化
疲れると、前頭前野の機能が下がり、大脳辺縁系優位になって、直近の欲望に忠実になってしまう。
だから、疲れているときに重要な判断は保留したほうがいいと言われている。
理屈で良し悪しを考えた上での判断が取れなくなるからだ。
自分にストップをかけるためには、今の自分の状態に気を配れるようにならなければいけない。
今自分が疲れていると認識できれば、意識的に休息を取ることもできる。
社会の中で良いパフォーマンスを出していくには、そういったことも含めて行動していったほうがいい。
より近視眼的にしか考えられなくなる
前頭前野とは、抽象的な思考を司る高次の脳であり、人間ならではの新しい脳である。
一方で、古い脳である大脳辺縁系は、感情や欲望、自律神経系を司っている部分である。
疲労により、前頭前野の機能が落ちると、思考の時間軸が直近に向かってずれる。
より建設的な行動をしようとする場合、多くは未来にとって良い結果を期待できる行動を取ろうとする。
その場合、大抵は”今は苦しくても後々楽になる”類の行為となる。
その未来を想定するためには、前頭前野の力が必要になる。
実際に存在していない未来を、抽象的な思考によって想像することが求められるからだ。
もし、前頭前野の働きが悪くなれば、あまり遠い未来のことについて考えられなくなるので、今楽しいか、今気持ちいいか、そういったことが基準として行動につながってしまう。
ある日仕事で重大なミスをしてしまい、自分のせいで取引先との関係に傷がついたとする。
そんな日はとてもじゃないけど冷静ではいられない。
深いストレスの中で、やけ酒してもおかしくはない。
そんな場面では、酒に逃げることが根本的な解決にはならない、というような冷静な判断よりも、とりあえず酒を体内に入れて今の辛い気分を晴らしたい、そういったニーズのほうが勝ってしまうのだ。
自分の疲労度を自覚しよう
私達は、できるだけ効果的に生活していきたいのなら、なるべく刹那的になるのではなく、人間ならではの脳みそを使っていこうではないか。
深いストレスにさらされているのなら、まずは直接ストレスを取り除くことを優先しよう。
それは一人で静かに心を落ち着かせることかもしれないし、日記を書いて心を整理することかもしれない。
ストレスに苛まれた脳の状態で下した判断によって、あれこれ動いてしまっては、さらに墓穴を掘るだけだ。
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