優しい人の特徴とは何か
あなたが考える優しい人の特徴とは、どんなものだろうか?
自分のことを受け入れてくれる人。
笑顔で会話してくれる人。
思いやりのある人。
自分のことを思って、必要なときは叱ってくれる人。
だいたいこんな感じだろうか?
私が考える優しい人の特徴とは、ありのままのあなたを認めてくれる人のことだと思う。
もちろん、その優しい人も、趣味趣向は持っているんだけど、相手にそれを押し付けようとは思わない。
それってあなたに嫌われたくないからそうしているんじゃないし、無関心というのも違う。
その理由をこれから説明する。
価値観は人それぞれ
本当に優しい人の特徴とは、人の価値観なんて人それぞれであると、きちんと認識できているということが挙げられる。
他人に対して苛立ちを覚える人というのは、自分の価値観こそが正しくて、それにそぐわない他人に対して許せなさを感じてしまう。
一つの価値観だけを信じていて、それ以外の価値観は異端であると認識してしまう。
少し冷静に考えてみれば、なぜ相手が間違っていて、自分の価値観のほうが合っていると主張できるのだろうか?
それには”自分”という存在が強く絡んでいる。
”自分”の考えこそが最も正しく、世の中のことを一番わかっていると考えるのが自我の役割だ。
つまり、自我は役目を果たしているだけなのであり、本気で自我の言うとおりに従う必要性はどこにもない。
私達は自我ではない。
自我というのは、全ての人間に備わる「機能」なのであり、人間の誰しも心臓の鼓動を打っているのとあまり変わりない。
「俺は脈拍数が70なのに、あいつは50だからおかしい!」
と言っているやつがいたらヤバイだろう。
脈拍数は人それぞれであることは普通のことであり、人によってばらつきがあるのは当然だ。
それと同じで、価値観も人それぞれなのが普通なんであり、それをとやかく言いたがる脳内の自我という機能は心臓の鼓動と同じで止められないけれども、あなた自身が他人を否定する必要性はどこにもない。
みんな違って当然だ。
そういった意味で、本当に優しい人の特徴とは、自我を超越できている人とも言えるだろう。
価値観自体が嘘である
優しい人の特徴とは、そもそも価値観自体が嘘だと見抜いているというのもある。
価値観とは、実際に存在するものではない。
人間の脳内の情報空間にしかないものだ。
人間が勝手にそう決めただけに過ぎない。
そんな価値観において「この価値観は真実だ!」と言い切れるかと考えてみると、どうもそうではない気がしてくる。
真実とは言えないでしょう。
真実とは、事実のことを指すので、実際のこの世界に起こっていることくらいしか言えない。
価値観なんてものは、人間の頭の中だけでしか通用しないものであり、もし言うならば、「私はこの考え方が好きだ」というような言い方しかできないのではないか。
だから、他人が持っている価値観を、自分の持っている価値観の正当性を振りかざして否定するのはおかしいということになる。
そもそも価値観は真実ではなく、つまりはどんな価値観も嘘だからだ。
本当に優しい人は、各個人が持っている価値観について、多様性であったり、そもそもの真実性がないことをちゃんと理解しているので、相手を否定したりはしない。
優しい人は黙って見守る
それでも、どうしても相手が間違っているとしか思えなくて、相手の考え方を正しい方向に変えたいと思ってしまうことってあると思う。
そんなときはどうすればいいのだろうか。
やはり、黙って見守るべきなんだ。
なぜなら、その人はその間違っていると思われる価値観を大事にする人生の中で、その人なりに何かを学んでいる可能性があるからだ。
何も注意をしなければ、相手が不幸になってしまうって?
大丈夫。
例え注意をしたとしても、その人はあなたの忠告なんて聞く耳を持たないから。
基本的に、人は誰かから注意されたから考えを改めるということはしない。
それも自我の仕業なのだけど、人ってのは自分の考えこそ最も正しいと思ってしまうものだから。
絶対にうまくいかない価値観を握りしめて、人生を歩んでいる人は、色んなアクシデントに見舞われながら、何かを学んでいるんだ。
私達はその勉強の邪魔をするべきじゃない。
だから、運命が、その人に必要な勉強をさせるために、ちょっと歪んだ価値観を握らせたということなんだ。
そして、人が変わる時ってのは、自分で気づいた時しかない。
他人がその人を変えることなどできないのだ。
価値観を手放すときは、もうこれ以上この価値観を持ってられないと、ギブアップした時だ。
それだけの災難が、その人の身に降り掛かってきて、耐えられなくなった瞬間にやっと大事に持っていた価値観を手放すことができる。
そして、それを教訓とした学びを得る。
まとめ
優しい人の特徴とは、他人を運命や神様などにお任せできている人とも言える。
人それぞれの違いや特徴というものは、与えられたものであり、自分達が好き好んで選んできたものではない。
優しい人は、その相手を暖かな目で見守ってあげられる人のことなのだ。
優しい人は、自分の価値観に合わせようとして、相手を変えようと試みたりなんかはしない。
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