英語を勉強したい。
プログラミングを学びたい。
料理ができるようになりたい。
様々なスキルアップのニーズがあるが、一つの学問やスキルを修得することは、なかなか根気を要することであり、思い通りに上達していかないことも多い。
ネット上には、あらゆる分野の修得ロードマップが掲載されている。
しかしその通りにやっても続かなくて離脱してしまうのである。
せっかく興味を持って始めたことなのに、中途半端な形でやめてしまうのはもったいないことだ。
また、往々にしてやり方を掲載した当人からは「この通りにやれば絶対成功する。やり方は教えたのだから、それでもできないのはあなたの問題だ」というような発言が聞かれる。
そのロジックにはまって、できなかった自分を責めてしまいがちなんだけど、私はそれはちょっと違うんじゃないかと思っている。
私は、効率よく技術を学んでいく秘訣とは、自分の今の実力に合った適切な難易度のハードルを設計していくことではないかと感じている。
挫折する理由は楽しくないから
何かを勉強しててもやがて続かなくなる原因を少し考えてみよう。
まず最初にその分野で代表的な本を探してきて勉強するんだと思う。
しかし全然理解できないとなると、壁を感じてきてしまう。
理解できないと、面白みがない。
それでも頑張れる人というのがいて、それはクビがかかっているとか、食べていくためにどうしても必要だとか、危機が迫っている場合である。
そうじゃなくて、もし普通に生活ができている状態で、新たに何かを学ぼうとしている時、それ自体に面白みを感じられなくなってきたら、段々と手を付けるのが億劫になってきて、やがては忘れ去ってしまうものだ。
そこで、教科書が難しかったとわかり、少し簡単目の入門書に変えてみる人もいる。
しかし、今度は簡単すぎてこれもまた面白みを感じることができず、途中で挫折してしまうのだ。
自分にとってのちょうどいい難易度を設計するということは、実はなかなか難しいことだ。
メンターがいて、自分に合ったハードルを課してくれる場合は別として、すでに完成されている出版物などから探してくる必要があるからだ。
だから、いくつか当たってみて、続けられなかったとしても、諦めずに色々と試し続けてほしいのだ。
英語が難しすぎて挫折した
自分の場合は語学が該当する。
昔から英語が喋れる人に憧れがあり、幾度となく英語の勉強にトライをしてきた。
本当に喋れるようになろうと決意し、本気で数ヶ月勉強をしてみたことがある。
しかし数ヶ月経っても、ネイティブのしゃべる英語が全く聞き取れず、無理ゲー感を感じてしまい、心が折れてやめてしまった。
私にとっては、適切なハードルを自分で課せていなかったんだと思う。
急にペラペラ喋れるようになるとか、スラスラ聞き取れるようになるイメージを目指してしまっていた。
そこで私は、中国語をやってみたらどうかとひらめいた。
英語をこれだけやっても上達できないのなら、別の語学に行くのも手だと。
結果的にこれが当たった。
同じ努力をしても、中国語のほうが上達を実感できたので、やってて楽しさを感じられた。
その当時は、適切なハードルを課すという考え方を知らなかったので、たまたま中国語の教材の難易度がはまっただけだと思う。
難しすぎても簡単すぎてもだめで、努力が報われると実感できるようなハードルの高さをうまく設計してあげることが、物事の上達には必要なことだと思う。
テレビゲームは難易度設計の天才
テレビゲームになぜハマってしまうかというと、難易度の設定が素晴らしいからである。
RPGのゲームは、最初はスライムを倒しながら経験値を稼ぎ、少しずつレベルアップをしていき、ボスに挑戦していく。
頑張ってやっとなんとか手が届くという、ギリギリのラインが設計されているのだ。
だからこそ、私達はそこに情熱を傾けてハマってしまう。
自分の今の実力で届くか届かないかという目標を設定し、そこに向けて努力する。
それがあまりにも難易度が高いとクソゲー扱いされてしまうし、思ったよりも簡単にクリアできると、なんか拍子抜けした感じもあるのではないかと思う。
私達が何かを学んだり上達しようとした時に、楽しんで学んでいけるちょうどいいハードルを設定することが肝心だ。
海外旅行でゲーミフィケーション
また私は海外一人旅が好きなのだが、旅行先は自分の行きたい所というよりも、その国の難易度で決めたりする。
なんとか自分の今の語学力やサバイブ力で乗り切っていけるだけの危険性の国や地域を選択する。
案外簡単に旅行できてしまうと、刺激を感じられず、旅行中でも感覚が眠ったままのような退屈な状態になってしまう。
だから、本当に帰ってこれるかギリギリのラインを攻める。
私の一人旅の目標は、ちゃんと生きて日本に帰ってくることとなる。
しかし南米のような、治安が悪くて本当に殺されるような危険性のある国は、私にとってはハードモードであり避けている。
イスラエルとパレスチナは一番思い出に残っている国だけど、パレスチナのある危険地域にデイトリップした時は、私がその地域を出た数時間後にテロが起きて封鎖されるという事態が起き、もしかしたらホテルに戻ってこれなかったかもしれなかった。
頑張ってやっと達成できる目標を自分に課して、それを実際にやり遂げると、自分の中で自信ができる。
それでまた、さらなる難易度を自分に課していくことができるのだ。
挫折せず上達する方法は、ゲーミフィケーションによって適切な難易度のハードルを課すこと
そういったわけで、ぜひ何かを学びたい、技術を習得したいと思った時は、楽しんで続けられるように、自分にとっての適切な難易度のハードルを設計してあげよう。
RPGのゲームのように、頑張った結果、ドーパミンがちゃんと出るような仕組みを自分で用意してあげよう。
挫折こそが一番いけないのであり、楽しんで続けられる仕組みを作ることが最も大事なことだと思う。
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