自我が消滅してしまう恐怖心と私達は常に戦っている

自我の消滅 幻想

「自分」ってのは、本当に守ってやる必要があるのだろうか?

私達は四六時中、自分にとっての痛みを避けて、快楽を求めるような思考パターンを繰り返している。

それは自我の働きによるものなんだけれども、そのために、他人への不平不満、愚痴、怒りなどがしょっちゅう頭の中のおしゃべりとして生まれてくる。

私達の内面には、とても脆くて傷つきやすいピュアな部分があって、そこに心無い他人の言動が土足で入り込んでこないように、必死で防御している感じだ。

その内面のピュアな部分に触れられると、傷口に指を入れられたみたいに、痛みの刺激で自分を保てなくなると思っている。

私達が常に繰り返している自我の働きなんだけど、これって本当にそうしなきゃいけないんだろうか。

実際は、そんなことはない。

もし自分自身というものが、誰かによってこてんぱんにやられて、ぐうの音も出ないほど傷ついたとしても、その時あなたは気づくと思う。

今までもずっと存在していた変わらない何かが、まだそこにあるということを。

心が傷ついてしまったら、自分が保てなくなると思っていたけど、実際そんなことはなかったんだと。

自我が傷ついて消滅してしまう恐怖と戦っている

なぜ大丈夫かと言うと、普段あなたが自分だと思っている自分は、幻想に過ぎないからだ。

セルフイメージと言っても良い。

自分はこういう人間である、というセルフイメージだ。

それは、あなたが物心ついた時からずっと作り上げてきた自分に対するイメージのことだ。

あなたは、そんなイメージがなかったとしても、もうすでにあなたなのに。

そんな自己イメージを持たなくても、すでにあなたはあなたなんだから。

しかし人間の脳は、生活の中で得た情報や印象を元に、自分なりの情報空間を育てていく。

自分なりの世界観というものを作り上げていく。

それはあくまで脳内の創造物でしかないのだけれども、人間はありのままの状態を見るのではなくて、その自分の世界観を通じて物を見るようになる。

そしてそれが真実だと信じ込む。

人間は自分に対してもまた、セルフイメージを作り上げて、元からある本当の自分に目を向けずに、セルフイメージを自分自身だと信じ込む。

これは全ての人間で行われていることなので仕方がない。

あなたの自我がいつも必死で守っているのは、セルフイメージのことなんだ。

侮辱されたらプライドを傷つけられたと言って怒る。

心が傷ついたと言って、嘆き悲しむ。

しかし、セルフイメージは脳が作り上げた幻想である。

私達は、幻想が傷ついたと言って怒ったり、相手に言い返したりしているんだ。

しかし実際は何も傷ついていやしない。

自我が傷つけられた後に残っていたもの

私は以前、とあるブラック企業に勤めていたことがある。

そこではボーナスの金額を評価で決める。

私は評価制という体で、社員のボーナスを削減しようとする魂胆であることは見抜いていた。

ボーナス込みでいくらの年収で、という契約で入社したのに、それ以下にされてしまうのは自分の中ではとても許せることではなかった。

私は全ての評価項目をAにして提出したが、評価を決める立場である社長が、B評価に変えてしまった。

社長はヤクザのように恐ろしい人間だったが、納得行かないので理由を聞いてみた。

そしたら社長は

そんなさぁ。A評価が簡単に出るわけなんてないよ〜

と、にやけながら明確な理由を言わずごまかした。

当然その答えに納得が行かなかったが、言い返すのも恐ろしいのでそのまま引き下がってしまった。

私は猛烈な怒りと、自分に対する不甲斐なさで感情がグチャグチャになってしまった。

頭が朦朧とし、手足が怒りでしびれているかのような感覚があった。

そんな最中、突然心の中に幸福感のような、暖かい感覚が出現したのだ。

怒りで震え、プライドは傷つけられ、自分の弱さとも向き合わされた、精神的にどん底の状態において、なんと幸福感が湧き出てきたのだ。

自分が不利益を被った、自分の心が傷つけられた、と考えているのは自我である。

しかし、心がこてんぱんに傷ついた後にも、以前と同じように全く変わらずにそこにあるものに、気づくことができたんだ。

お金が減ってしまおうが、プライドがズタズタになろうが、何も変わらないであり続けるものがある。

それこそが、私の本体なんだと、本当の自分なんだと気づくことができた。

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自我は幻想であり、消滅しても大丈夫なんだ

守る必要のある自分なんて、本当はいない。

守るべき自分は、幻想なんだ。

それは、打ちのめされて、プライドが削ぎ落とされた後にも残っているものを発見した時にわかる。

あぁ・・・今まで大事にしていたものは幻想だったんだな、と。

傷ついてしまうような自分はいない。

それはあなたが作り上げたセルフイメージだ。

どうか、不毛なことに時間とエネルギーを注ぎ込まないように。

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幻想
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