”自分は絶対、嘘はつかない!”
時々、自分は絶対に嘘はつかないと決めている人がいる。
また、信頼関係のために嫁にだけは嘘はつかないと決めている人もいる。
こう聞くと、とても良いことをしているように聞こえる。
しかし、嘘をつきたくないという想いを貫いた結果は、必ずしもうまくいかない場合があるように私には思える。
これは一体なぜなのか。
嘘をつかなかったせいで誰かを傷つけた
例えば、昔仕事で関わりのあった人で、こういうケースがあった。
夜飲んで家に帰ろうとして、タクシーで帰るとなった時、同じタクシー待ちをしていた女性もたまたま同じ方向に帰るというので、一緒のタクシーに乗って帰ったのだそうな。
その知り合いは、嫁には本当のことを話したいということで、その一件を正直にしゃべったそうだ。
そしたら嫁は激怒し、そこから旦那は何日も家に入れてくれなくて、最終的になぜか私が嫁に電話で説明をさせられる羽目になった。
果たして嫁に本当のことを言う必要があったのだろうか?
嫁には正直でありたいという思いは結構なのだが、それが独りよがりの思いになってはいけない。
自分は正直でいたいけど、その結果何でも耳にしなきゃいけないことで傷つく嫁がいる。
嫁が傷つきそうなことはあえて言う必要がないだろうし、また、正直でいたいというのなら思いと行動を一致させないといけないんじゃないかとも思う。
つまり、正直にしゃべっても誰も傷つけることのない行動を普段から心がけるということだ。
世の中には目的のためなら平気で嘘をつく人間がいる
また、私自身も結構正直でありたい方なのだが、そのせいでうまく行かなかったことも結構ある。
最近の事例だが、親戚の結婚式でお祝いをあげるかどうか、家族内で揉めたことがあった。
何故かと言うと、私の兄弟の結婚式の時には、その親戚はお祝いをくれなかったというのだ。
私の家族はそのことが許せないらしく、もらってない相手には絶対にくれてやる必要はないという。
私自身は、その親戚とは幼い頃から付き合いがあったし、めでたいことなんだから、気持ちとしてお祝いをあげたい思いがあった。
それに、私個人であげる分にはなんら関係ないじゃないか、とも思っていた。
そんなこんなでしばらくして、親から連絡があり、一家でお祝いをあげることにしたから、当日みちをの分5,000円頂戴ね、ということだった。
親としては妥協案としての提示だったのだろう。
少しホッとしつつ、結婚式当日を迎え、滞りなく式が終わったかに見えた。
式が終わって帰り、家族で集まって軽く食事会をした。
そこで、親は親戚にお祝いを実は用意してないことが判明したのだ。
なんと、親は私を欺いたのだ。
家族の穏便な空気の中で一人、私だけは固まっていた。
嘘をつきたくないという思いよりも優先させるべきこと
正直でいることは難しい。
正直でいたいという気持ちとは、独りよがりな思いかもしれない。
なぜなら、正直を貫く結果、誰かを傷つけるかも知れないし、また、正直でない人に騙されるかもしれない。
もし、正直を貫き通してなかったとしたら、嫁を無駄に傷つけずに済んだり、お祝い金をなんとかして親戚に渡すことができたかも知れない。
正直でいることよりも大事にしなきゃいけないことがきっとある。
目的と手段を見誤らないで、ということだ。
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