ストレスや感情の起伏に左右される原因
苦しみや悲しみ、面倒な気持ち、怒りなど、自分にとって不快な感情の起伏を、できれば取り除きたいと思うだろう。
そのために、ストレスや感情をコントロールする方法が色々と語られ、ポジティブシンキングでネガティブな感情を上書きすれば良いなどと言われる場合もある。
しかし、もっと上の抽象度で語れば、そういう枝葉的なやり方では根本的には解決できないと最近悟った。
感情の起伏をいちいち自分ごととして無条件に押し付ける癖こそが問題だったんだとわかったから。
無意識に繰り返してきた条件付け
例を挙げて説明してみる。
非常に簡単な例で言うと、子供のときに母親から部屋を片付けるよう言われ、あなたはものすごく面倒くさくて嫌な気持ちになったとする。
ここであなたは、当たり前のこととして「自分は今面倒くさい気持ちになっている」と理解する。
しかし、自分というのは概念でしかなく、人間の脳が作り上げた考え方でしかない。
実際に自分というものはこの世に存在しないんだ。
仮定で私というものを想定すると、社会生活を送る上で色々と便利だから私達は自然に使っているだけで、あまりにも当たり前すぎて意識すらしていない状態になっているということだ。
それを踏まえてもう一度考えてみよう。
母親から注意された時、面倒くさい気持ちが心の中に発生する。
ここで”私の”心の中と言っていないことに注目して欲しい。
感情がやってきたのである。
私は、言うなれば、その出来事を観察する何者かだ。
私が面倒くさいのではない。
面倒臭さがそこに”ある”のだ。
感情は私から切り離されて存在している。
ストレスや感情をコントロールする能力とは、私と感情を切り離せるかだった
私達は、物心ついてから自然と疑問を持たずに、感情を自分ごととして捉える癖をつけてきてしまった。
しかし、本当は感情と私とは無関係のものだったんだ。
生活の中で、どんな感情がやってくるかは、この世界が続いていくように、それは全体におまかせというわけだ。
しかし、どのような感情がやってきても、あなたには関係のないことだ。
もしかしたら、今後もネガティブな感情ばかりが沸き起こってくるかもしれない。
しかし、傍観者であるあなたはどこも傷つくことはない。
だから、起こる感情自体をネガティブな性質のものからポジティブなものばかりへと変えることはできない。
やってくる感情を変化させることはできないが(自分のものではないので)、新たな望ましい感情を自分から起こすことは可能だ。
あなたは沸き起こる感情の奴隷なのではない。
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